

COCKTAIL RECIPE
カクテル調理法
鸡尾酒食谱
※商品名をクリックすればamazonなどのリンクへ飛びます
特別な依頼がない限りお酒の銘柄からカクテルを作ることはほとんどないです。理由はいくつかありますが、『まだその段階ではない』というのが一番の理由だと思ってます。
自分の仕事は究極の一杯をつくることより、まだ誰も挑戦していない部分に攻め入っていきカクテルの領域を拡げることだと思っているので、未開拓だったところで80点のカクテルをつくれれば十分だと思ってます。80点より先はそれこそお酒の銘柄だったり素材の産地や品質をどこまで詰めていけるかという勝負であって、まぁそれは誰かがやってくれるだろうと相手も根拠のないパスを出しっぱなしにしておくことにしています
今回のレシピでも何かを漬け込んだりしてジンに味を移すようなものは基本的にWilkinson Gin 47.5で統一してあります。参考そしてもし他のジンを使うならと想像してもう一種類リコメンドしてますが全部試したわけでないのであくまで参考にしてください
→ジンの種類をみる
ニュートラルな味わいでシトラス感が弱く根っこ系の甘味がしっかりありアルコール度数も高めなのでインフューズド用としてとても使いやすいと思ってます、あと安い。なのでとりあえずこのジンで試作してみて他のジンに変える場合も多いです
今回のレシピもとりあえずはインシューズドする場合のジンはこのジンで統一させてもらいましたが是非ご自身で他のジンに置き換えたものも試してみてください
→Wilkinson 47.5° を購入 (Amazon)
長崎県壱岐の蔵酒蔵さんの麦焼酎、減圧蒸留+シェリー樽で5年熟成
麦の少し甘く香ばしいニュアンスは残るんですが癖のない後味なので、カクテルにしたときにほかの材料とよくなじむので使いやすいです
色んな麦焼酎試しましたがカクテルに使いやすかったのがこれと『けいこうとなるも』です
『けいこうとなるも』は常圧蒸留+3年熟成なので無一物より麦焼酎感を強く出したいときに使います
福岡県寿福酒造場さん。常圧蒸留。うま味爆弾みたいな米焼酎。米焼酎は味に癖がなく焼酎のニュアンスを主張させないとき使うイメージがありますが、これはガシガシ個性が出せる米焼酎です。しかし加水したときののびがいいのでカクテルで使ってもほかの素材とケンカしにくです。強いうま味が裏目に出る場合もありますがそれでもセキネ的最強の米焼酎の一つ
さらに度数の高い武者返し43度もありますのでよりクラシックなカクテルでスピリッツの代替的に使いたい場合はこちらもおすすめです
鹿児島県国分酒造さん。珍しい芋麹芋焼酎で香りはバラやマスカットのような華やかなニュアンス。最近こういった華やかなタイプの芋焼酎が増えてるんですが、バランスの良さはちょっとレベチな感じです。年に一回しか(10月頃)リリースしないので毎年買いだめしてます。
手元にない時は田崎酒造さんの『ぷう』がおすすめです
・メスカル
『テキーラの母』と呼ばれるテキーラの源流にあるメキシコの蒸留酒です。日本でもだいぶ浸透してきたのかな?アメリカでは少し前からブームが来てるみたいです。テキーラの原料がブルーアガベのみなのに対してメスカルの原料は現状52種類のアガベがあり、作られる場所もテキーラより広い範囲で作られているので原料の違い、土地の違いがテキーラよりバラエティーがあります。製法も違っていて『ハーバル&スモーキー』がメスカルの特徴といってもいいと思います
個人的に『メスカル+芋焼酎』がけっこうおもしろくて色々試してます。うちで常備しているのは『デルンベス オアハカ』。スモーキーさのバランスが良くて価格も安いので使いやすいです
・ブラックサンブーカ
イタリアの薬草酒でアニス系の甘い香りと深い紫のような黒色が特徴です。一般的なサンブーカは無色透明で色々なブランドがありイタリアではポピュラーなリキュールですが、ブラックサンブーカはその亜種でブランドも多くはありません。
ビーツを蒸留したスピリッツにアニス、エルダーフラワーなどの薬草を浸透させて作られています。特徴的な色はエルダーベリーから抽出される色です。個人的には無色のサンブーカより柑橘感が強く飲みやすいので昔から愛用するキュールの一つです
・後発酵茶
茶葉を摘んだ後に一度熱処理して発酵をとめ茶揉みをし、そのあと再度発酵させてつくられたお茶です
代表的なものに徳島の阿波晩茶、高知の碁石茶、中国の黒茶(ヘイチャ)(プーアル茶もこの仲間)などがあります
阿波晩茶は乳酸菌、碁石茶はカビ菌+乳酸菌、黒茶は麹菌により発酵させるなど作り方も様々ですが、発酵による独特な酸味と香りと特徴です。お酒に抽出したりシロップにしてもこの味と香りは飛びにくいのでカクテルの材料としても活躍してくれると思います
・京番茶(炒り番茶)
京都だととてもポピュラーですが他県だと意外と知られてない京番茶、番茶も地方によって全然違うのでわかりにくいですが、京番茶は揉まずに焙煎したスモーキーなお茶で、ほうじ茶の仲間のような感じです。ほうじ茶も色々あるんでややこいんですがほうじ茶は新芽を使って揉んでいるものが多いです(煎茶を焙煎したもの)。対して京番茶は新芽以外の葉や枝ごと使う場合が多く、揉まずに焙煎します。作り手によって個性は様々なのですが個人的にはほうじ茶よりよりスモーキーで酸味が少ないものを選んで使い分けてます
・碾茶
碾茶とは抹茶を粉にする前の茶葉です。玉露との違いは葉を摘んで加熱した後『茶葉をを揉まない』ということです。玉露ような甘味だけど、玉露ほどうま味は強くないので濃いお茶を飲みなれていな方にも飲みやすいのです。あとそのまま食べてもおいしいです。
なかなか出回らない種類のお茶ですが一度は体験していただきたい茶葉です
また『あめほうじ茶』という碾茶を焙じたお茶を和束の有機栽培&シングルオリジンにこだわった茶園『喜六園』さんがつくっていてそれもおすすめなので試してみてください
→あめほうじ茶(有機栽培) を購入(喜六園)
・黒文字
黒文字は木の種類で主に枝を使います。抗菌作用があるので爪楊枝とか菓子の楊枝とかに使われてきたり、漢方としてもよく使われます。清涼感のある香りでカクテルにも使いやすいので常備させていても出番は少なくないと思います
お湯で煮出してハーブティとしても飲めますし、ジンの材料としても今注目を集めています。その代表格は養命酒酒蔵さんの『香の森』です
白米に混ぜて炊くと健康的っぽいあれです。メーカーによって使用している雑穀の種類も数も色々出ているのでお好みのモノを使ってください(うちで普段使っているのは16種類のモノです)
日本では結構ポピュラーだと思うのですが海外だとあまりないみたいなので簡単な説明をすると、日本では米を主穀とするためそれ以外の穀物を総称して『雑穀』と呼んでます。主にアワ、ヒエ、黒米など白米以外の米、きび、麦類。豆類やゴマ、とうもろこし等が入る場合もあります。
少し煎じてお酒に漬けこんだりすると香ばしい風味がつきます
・鯛アラ
魚屋さんとかでアラだけ売っていればそれ使えばいいと思います。下処理の段階で焼き霜にすればちょっと香ばしい、スモーキーなニュアンスが出せるし、湯霜にしたらもっとニュートラルな仕上がりになります
アラを煮こむときにあまり長時間煮込むと冷やしたとき煮凝りみたいになってしますので注意です
いちおう鯖の水煮のレシピも載せましたが缶詰の水煮でも十分においしいです。缶詰の場合は塩を入れてないものがあればベストです。
・白子
白子は魚の精巣です。ほんま人間という生き物はなんでも食べる。。
魚臭さはあまりなく柔らかく、クリーミーで、コクがあるのが特徴です。
日本ではフグ、タラ、アンコウ、鮭の白子がポピュラーで汁物、焼き物、天ぷら、鍋など色々な調理法で食されます
今回紹介した白子酒はもともと冬の日本料理屋さんで時折出されているものをツイストしたものです。日本料理屋さんではフグの白子を使う場合が多いですが、味が非常に淡白です。うちではより濃厚な味のタラの白子を使うことが多いです
・鰹出汁
鰹節のイノシン酸と昆布のグルタミン酸が鰹出汁の肝ですが、カクテルに使う場合昆布の臭みが少し気になったので昆布と同じグルタミン酸も持つ茶葉を使って鰹出汁としています
茶葉は玉露だとうま味と甘味が強すぎるので苦みが少なめの上ランクの煎茶が一番バランスいい仕上がりになりました。まだ試してないのですがかぶせ茶、有機栽培の玉露でもいいと思います
鰹節だけでなくまぐろ節をブレンドしてもいいと思います
鰹節は上品な本枯節の血合いが抜かれたものがいいです。普段は大阪の靭鰹節店のものを使っています
・昆布出汁
色んな出汁の取り方があると思いますが、うちではカクテルで使うのであまり昆布の臭みや粘り気が出ないような出汁の取り方をしています。単純に水出しでも十分おいしいです。
うちでは香りが上品で味にキレがあるので昆布は利尻昆布を使っていますがお好みで他の種類でもいいと思います
韓国の伝統茶に山椒茶ってのがあってそこからインスパイアされて作ったのが始まりです
シュラブの一種だと思ってください
山椒も酢もダイレクトに使うとけっこう味がたってしまうんで難しいんですが蜂蜜に漬けておくことでマイルドになるので常備しておくと色々使い勝手がよいです
・テパチェ
もとはメキシコの発酵飲料でパイナップルの皮を乳酸発酵させてたものです。メキシコだと大きな壺に仕込んで地面に埋めておくらしいです。個人的には普通のパイナップルジュースよりテパチェの方が好きです、しかもすごい応用がきくので色々試しています。一緒にスパイスなどを漬け込んだり、ほかの果物の皮で作ったり、果物の皮は捨てがちなのでそれでジュースができ、しかもおいしいとあれば丸儲けです
パイナップルの皮の酵素が強いので発酵も常温でほったらかしでやっても失敗はすくないので発酵初心者にもおすすめです
果物の皮を使うとき気をつけなくてはならないのは農薬です。パイナップルはもともと残留農薬がほとんどないので大丈夫ですが、果物によっては無農薬のものを使いましょう
・みかんのテパチェ
テパチェのみかんの皮バージョンです。みかんは有機栽培のモノをつかってください
とりあえずカクテルの敵は塩分なので醤油選びは色々試してます。そのなかで『再仕込み醤油』『二段仕込み醬油』と呼ばれる醤油に出会いました。『醤油で醤油をつくる』と言われるように2倍の手間と材料を使って作られる醤油です。
今使ってるのは京都の澤井醤油さんの二度熟成醬油。二段仕込みの方が塩味がまろやかでうま味は強いのでカクテルには向いてると思ってます。が、まだまだこれからも試して更新していきます
・本味醂
本味醂は甘めのシェリーやスイートベルモットの代わりのような感じで使える優れものです
こちらも銘柄はさまざまですが今のところ『角谷文治郎商店 有機三州味醂』がレギュラーの座についてます
これ有機じゃないのもあってそっちの方が安いのですが結構味が違うので注意です
あとこないだ黒味醂というのも飲ませてもらいました。紹興酒みたいな深い味わいで、これも今度使いたいと思います
・ポン酢
カクテルに使うので塩味が控えめで酸味がしっかりあるものがいいです。nokishitaでは塩味が少ない再仕込み醬油を使い、柑橘の量を通常より少し多めにして仕込んでいます。柑橘の種類は柚子だけで仕込んだレシピを載せましたが他のモノをブレンドしても大丈夫です。市販のモノを使う場合は醸造酢が入っているものを使ったり、市販のボトルに少し柑橘のジュース足してしてしまうのも手です
以前使ってたのは高知の馬路村ポン酢。これスーパーでも売ってる緑キャップの他に、柑橘をよりたくさん使った赤キャップのものがあってそれがおいしかったです
・米麹
うちでは米麹を使って麹ウォーターや塩麹を作ったり、発酵に使ったりしています
うちは生の米麹を冷凍していますが、乾燥タイプの方が手に入りやすく使い勝手もよさそうです
・一休寺納豆 / 大徳寺納豆
京都の一休寺と大徳寺で作られている干し納豆とでもいうのでしょうか。中国の豆鼓の仲間のような感じです。うま味と酸味が詰まった爆弾みたいなもので、そのまま食べてもいいですし調味料としても使えます
大徳寺納豆は2カ月天日に晒すのですが一休寺納豆は一年間それを続けます。なので一休寺納豆の方が味が濃いです。どちらがおいしいかは好みの問題です。うちでは一休寺納豆を使っているんですが一休寺で直接買う以外はほとんど流通していないので手に入らなかったら大徳寺納豆を使ってください
・練り味噌
練り味噌は味噌に味醂、砂糖、酒、卵黄、ほか調味料や薬味を入れて煉った味噌のことで、田楽味噌なんかも練り味噌です。
うちでも色々買ったり作ったり試してますが、今のお気に入りは京都、桂の隆兵そばさんの『登龍味噌』。味噌に鯉と青唐辛子、山椒などを練りこんだ甘辛い練り味噌です。たまたま生麩の麩嘉さんの店舗で売っているので買ってみたらはまりました
次は手作りしようと思ってますのでまたレシピアップします
・パラチニット(飴細工用砂糖)
小さいころ街のお祭りで飴細工を作っているのを見てからしばらくの間『将来の夢は飴細工の人!』でした。飲食店で働きだしてから砂糖を溶かしてみたり、水あめをいれてみたりと色々挑戦してみましたがなかなかに難しかった飴細工
しかしあるときこのパラチニットを発見してその使いやすさに衝撃を受けました。是非皆さんもカクテルのデコレーションに使ってみてください
ただ飴細工用と書きましたがお祭りの飴細工のようなものには向きません。パラチニットは固まるのが速すぎてちゃんと飴用のランプなどで温めながらでないと時間のかかる細工にはむいていません。ランプなしであのような飴細工をする場合は砂糖と水あめ、コーンスターチを混ぜて作るといいです
・練り切り
練り切りは和菓子の一種で、和菓子屋さんのショーケースに並ぶ色も形も多種多様な生菓子の代表です。練り切りの生地は白餡につなぎを合わせて煉ったもので、つなぎは求肥だったり芋だったり様々です。作り方も色々で簡単なやつは簡単なのですが『練り切り粉』なるものを見つけて非常に簡単だったのでそれを使ったレシピをのせました。
練り切り粉にジュースの搾りかすなどを合わせて煉るとそれだけで和菓子ができるので無駄なく食材を使い切りたい自分にはとても重宝するアイテムです
作りやすさは練り切り粉ですが、仕上がりは白玉粉の方がもちもちします。opiumは練り切り粉、be encouragedは白玉粉のレシピを載せています
・馬告(マーガオ)
台湾の原住民が古くから使ってきたスパイスで台湾版『山胡椒』。黒胡椒のようなピリッとした辛味とレモングラスのような香りが特徴です
台北のバーGinspiration のペリーさんがうちの店に遊びに来てくれたときにお土産でくれたのをきっかけではまりました。けっこう世界的にも注目を集め始めている話題のスパイスなのでお試しください