『はじめて』というのは特別なものだ
はじめてでも、2回目でも、127回目でも、その一回は二度と訪れない掛け替えのないものに変わりはないが
やはり、『はじめて』というものは色々な想いを内包する
ロックバンドの初期衝動をかき集めたようなファーストアルバムが、演奏の巧さ云々を越えたエモーショナルな響きを持つように、
『はじめて』というエッセンスの中には『巧さ』ではない何かが姿を潜めていることがある
『巧さ』は積み重ねていくことができるがそのエッセンスは時とともに気化していってしまう
それは神さまがその挑戦を称えて一度だけ与えてくれる魔法なのかもしれない
そんな魔法がかかったボトルが先日到着した
『TATSUMI DISTILLERY ALCHEMIAE FIRST ESSENCE GIN』

岐阜県郡上に新設された『辰巳蒸留所』のファーストバッチ
ベースは粕取り焼酎とちこり焼酎
『粕取焼酎』とは日本酒を作る際にでる酒粕から作った焼酎で特に吟醸粕取を使ったものは癖がなく香りが良いものが多い
『ちこり焼酎』とは名前の通り野菜の『チコリ』の根っ子を使った焼酎
岐阜県の中津川で栽培される『チコリ』の廃棄される根っ子を活かそうとして生まれた焼酎
ボタニカルはジュニパーのみ
ジュニパーの香りがしっかり感じられる
焼酎っぽさはあまり感じず、野性味のあるリッチな味わい
初回は300本ほどなのでまだ出会える機会は少ないが、この最初の一滴が波紋を起こし大きな波になることを確信している

『TATSUMI DISTILLERY ALCHEMIAE FIRST ESSENCE GIN』
生産地:郡上 / 岐阜 蒸留器:銅製ポットスチル、カブト釜蒸留器
ベース:吟香露(粕取焼酎)、ちこり焼酎
ボタニカル:ジュニパーベリー
生産本数322本
