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飲む、を語る

執筆者の写真: TOMOIKI SEKINETOMOIKI SEKINE

海外のフードトレンドのリサーチなどを通して、キリンの『世界のキッチン』シリーズなど新しい商品開発などに携わるTNCさんのご協力のもと、Fabcafe Kyotoにて2019年のドリンクのトレンドを語る座談会を開催いたしました http://www.tenace.co.jp/

TNCさんのリサーチは清涼飲料水、特にRTD ( Ready To Drink →パッケージされた飲料 )が中心ですが、そこから見て取れるトレンドはお酒やバーでのトレンドと重なる部分も多く、改めてボクらが日々やっていることというのが現代のトレンドに則しているということが確認できました

セキネトモイキという男はいつも自由気ままに好きなことだけを勝手放題やっていると思われていると思いますが、ボクラの仕事というのは時代の流れを読んだうえでその0.5歩先を創造し発信していくことだと思っているので今のトレンドをきちんと把握できているということは非常に大切なことであります

せっかくTNCさんから貴重なお話を聞かせていただいたので会には参加できなかった方にも見ていただけれるようにまとめたいと思います

全体像から読み取れるものとしては『ヘルス』『ナチュラル』『トラディショナル』などのキーワードがすべてのカテゴリーから見れらます

個人的には特に『ヘルス』→健康食品として売られているとどうしても抵抗があるのですが、海外ではドリンクにヘルスを求める傾向は思いのほか強いようで、次のスーパーフードを探そう!という感じで世界中で新しい食材を探している

【バリューネックス】

新規性のある飲み物は常に探されてます。科学的に新しい成分や効果を見つけるアプローチとローカルな食材や食文化をブラッシュアップするアプローチが主かと思います

・カンナビジオール→麻に含まれる成分。リラックス作用などがあるそうです。略称CBD https://www.mylohas.net/2018/08/173387cbdoil.html

・キシリトール→虫歯にならないお茶。機能性飲料もピンポイントで効き目をうたうものが多くなりそう https://tabi-labo.com/286442/journey-mouth-wash-qii

・デーツ→イスラムの人が断食のときによく食べる、デーツフレイバーウォーター(クルマウォーター)

・ドラゴンフルーツ→ミレニアル世代を中心にピンク色が流行ってるらしいですw 

・カヴァ→オセアニアの木の根っこの飲み物 https://fijianwalker.com/kava/

【コンプレックスアップ】

既存のもののかけ合わせで新しい味や要素を探す試みです

・発酵×フルーツ→料理もそうですがドリンクでも発酵はまだまだ注目をされています。健康的な意味あいと味の幅を広げてくれる効果があります

・東洋思想×西洋トレンド→漢方の成分を西洋的にアレンジやパッケージ化して取り込みやすくする

・ルバーブ×バニラ→ルバーブは北欧的なライフスタイルとあわせて人気。ヒュッゲ(人と人とのふれあいから生じる温かく居心地の良い雰囲気)という概念と共に今後も北欧の食材は人気が出そう

・スパイス×フルーツ→フルーツだけでは甘ったるく単一な味になりがちなジュースをスパイスをプラスすることで味の広がりを持たせる。また漢方的な意味合いを持たせるものもある

・コーヒー×フルーツ→コーヒーのフルーツジュースの合わせもいろいろと試行錯誤が続いてます。少し前にコーヒートニックなども流行りましたがコーヒーのネクストステップも何が出てくるか楽しみ.。コーヒーチェリーの使い方もシロップやジュース、お茶などいろいろ出てきてますね。

・海水→海水をつかったレモネードがスペインで販売されているそう。なるほど海水はまだ手を出していなかった。。どういう加工をしているのか気になります http://www.lazumeria.es/en/water-sea/lemonade-sea/

【ボタニカル】

・フィンガーライム→最近は日本でも手に入るようになってきました。もともとは料理に使われて知名度が上がりましたが最近ではカクテルでもよく使われるようになりました

・バタフライピー→お茶から始まりRTD、カクテル、最近ではジンの素材としても人気です。紫色を出す素材はいくつかありますがバタフライピーは色の時間変化が少ないのが使いやすい理由です

・ローズウォーター→ローズウォーターを筆頭にハーブやフラワーウォーターは変わらず人気です。日本では香り付きの水というのはあまり受け入れられない気がします

・バーチウォーター→白樺の木に蓄えられている水です。ほのかに甘味があるようです。こういったように砂糖を使わない天然の甘味をもったものは常に求められています https://www.organic-press.com/topics/yamamotoshouten_news02/

・シーバックソーン→北欧でポピュラーな木の実で、独特な酸味が特徴です。まだ日本だと価格が高いですが面白い味なので今後期待です SoundCloud – Listen to free music and podcasts on SoundCloud

・ローズマリー→脳の老化防止効果があるとかでまた再注目されてます

【インナービューティー】

美容効果のある飲料

・台湾漢方→台湾漢方を飲みやすくしたドリンクスタンドが台湾で人気です https://oddinstitute.tw/NIOU-TEA、スピルリナ(藻)なんかも使っていて面白いです http://www.fun-taiwanzine.com/archives/10755

・ツバメの巣→インドネシアはツバメの巣の産地らしく安く手に入るとのこと。料理だけでなくドリンクも売られてます https://www.google.com/search?q=bird%27s+nest+drink&rlz=1C1CHZL_enJP822JP822&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwigiNirsbDkAhUEUN4KHegSCdgQ_AUIEigB&biw=1421&bih=900

・男性用美容ウォーター→タイのコンビニに必ずと言っていいほど置いてあるのが男性用美容ウォーター https://www.thailandunique.com/mansome-drink-thailand

・キノコ飲料→きくらげやチャ―ガなどのキノコ飲料も美容効果があると人気です。ロシアに行ったときいたるところでチャーガが売ってました

【オルタナティブ】

牛乳や砂糖、アルコールなどの代替飲料。これも健康面を気にして代替を探す流れが多いかと思います

・アーモンドミルク(プラントベースド)×プロバイオティクス→ヤクルトを参考に作られた代替ミルク。アーモンドミルクをはじめ代替ミルクはどんどん出てきますね https://www.califiafarms.com/collections/yogurt

・アガベシロップのテイラードドリンク→アガベシロップはだいぶ定着してきましたがこれは自分で味を調節できるRTD。海外はカスタマイズできるものが人気でますが日本はそうでもない気がします https://eat-drink-sleep.com/2018/11/12/try-kolibri-drinks-alcohol-free-with-sweetness-tailored-to-taste/

・完全栄養食飲料→完全栄養食は日本でもいくつかスタートアップがでてます。これも日本のcompの出している完全栄養飲料です http://www.comp.jp/products/drink.html

・リキッドミール→シリアルやカロリーメイトを液体にした、と聞くとなんか気持ち悪いですがウイダーインゼリーなんかもリキッドミールですね https://soylent.com/

・ココナッツネクター→血糖値があがらない甘味料として注目されてます https://coetas.jp/fp/cocolisse/voice/_4223388

・アップルシュガー→アガベやココナッツネクターもそうですが天然の甘味料は出てきてます。人類は甘味から逃れられないんですね https://learningandyearning.com/apple-sugar

【ナチュラルエナジェイズ】

NO BULL, NO MONSTER!! なんてキャッチコピーの製品があるように自然由来成分のエナジードリンクも今熱いです

・脳への働き

・マテ、白茶、ガラナ→自然派エナジードリンク

・野菜ジュース×エナジー→エナジードリンクっていわれると抵抗あるけど、野菜ジュースと一緒なら健康的じゃない?

・スーパーフードエナジードリンク→クプアスというアマゾン原産のフルーツを次のスーパーフードとして注目です。カカオの仲間です。それにさらにエナジーも足してしまえと https://www.bevnet.com/reviews/zavu/cupuacu

【ドリンクテイメント】

おいしい、健康、もいいけど、その他にエンターテイメント性のあるドリンクも人気です。日本だとタピオカですね

・ポッピングボバドリンク→海藻由来の成分で膜をつくりそこに液体を入れれるポッピングボバ。韓国発祥なのかな?日本でも最近みるようになってきましたね。ドリンクテイメントとしても騒がれてますが、ただ後ほど出てきますが、このポッピングボバはペットボトルの代替として使われるようになるとかなり面白いです https://macaro-ni.jp/61012

・朝食味カクテル→カクテルではよくあるやつですめ。なんとかの味がするカクテル

・トリプルカップ→ただたんにカップを分けただけです https://www.alibaba.com/product-detail/PP-Plastic-Triple-Cup-Split-Cup_60645188645.html

・昼と夜で使い分けができる飲料→ドイツだったかな?昼は清涼飲料水、夜はミキサーになるRTD。こういうのが需要あるっていうのはカクテル文化が強い証拠ですね

【トラディショナルアレンジ】

伝統的なものを新しくっていうのは食でも音楽でもファッションでも同じ流れなんじゃないでしょうか?

進化系コーヒー

・ジン樽×コーヒー→コーヒー豆をジンの樽で寝かせて香りをつけるらしいです。

・コールドブリューコーヒー×スパイス→コーヒー×スパイスはアジアイスラム圏では伝統的な組み合わせですが意外と新しく感じるかもです https://sandows.com/collections/all/products/cold-brew-soda-spice-case-of-24?variant=5455117418527

・グリーンコーヒー×フルーツ→焙煎するまえのコーヒー生豆をつかったドリンク

・アボカドジュース×コーヒー→インドネシアだったかな。http://www.mokabees.com/indonesian-coffee-avocado-smoothie-es-alpukat/

進化系ティー

・抹茶アメリカ―ノ→抹茶アメリカーノってただの薄茶やん https://www.youtube.com/watch?v=k0j378mIhds

・ニトロ抹茶→少し前にニトロコーヒーが流行ったのでそのまま抹茶に流用ですね。抹茶の方がもともと空気を含ませてつくられるので相性いいかもです

・紅茶×エレクトロライツ(イオン)→イオン入り紅茶、さらにフルーツも入ってますね。イオンの飲み物?あ、でもポカリスエットもイオン飲料ですね https://connect.naturalproductsexpo.com/product/pomegranate-organic-electrolyte-black-tea

・チーズティ→クリームチーズが乗っかったお茶です。日本でもすでにみかけますね https://techatecha.com/cheezetea

【社会の動き】

ノンアルコールトレンド

・dry junuary(イギリス)→1月はお酒を減らそうよ、という活動です。年末に騒いだ分おちつけと https://alcoholchange.org.uk/get-involved/campaigns/dry-january

・伝統的なモクテルのRTD(GUNRZ)→香港に昔からあるGunnerというノンアルコールカクテルをRTDに https://gunrz.com/

・フードペアリングウォーター→アメリカでウォーターソムリエが誕生して一時期話題になってました。けっこう大事なのはレストランのテーブルに置かれて違和感のないボトルデザインかも https://guide.michelin.com/sg/en/article/features/why-food-and-water-pairings-are-just-as-important-as-wine

・スパイス×フルーツ→先述

・ニアワイン→ノンアルコールワイン https://www.townandcountrymag.com/leisure/drinks/g19599968/best-non-alcoholic-wines/

エコパッケージ

・プラントボトル→プラスチック問題がだいぶ本格的になってきました。カルフォルニアの空港では空港内でプラスチックボトルやカップを販売してないらしいです。https://www.thewanakasun.co.nz/news/5959-worlds-first-plant-bottle-debuts-at-tuki.html

・食べれるストロー→でんぷんなどで作られているようです https://www.cosmopolitan.com/jp/trends/society/a24164608/loliware-compostable-eco-friendly-seaweed-straws/

・食べれる容器(海藻の膜)→色んなものが出てきています。水を手で持っている写真の奴は先述したポッピングボバと同じ原理です。https://www.smart-magazine.com/edible-packaging/

【飲料の新しい売り方】

・自己申告制無人店舗→ニューヨークになる自己申告制無人ジューススタンド。本当にただで持って出ることもできるみたいです。田舎の無人野菜売り場みたいですね。ただしオンライン決済 THE DRUG STORE https://www.nytimes.com/2018/09/13/technology/dirty-lemon-drug-store.html

・サブスクリプション→日本ではジュースの自動販売機のサブスクリプションもはじまるみたいですね

【五感への】

・食べれる香水

・香水コンセプトのバー

・野菜の香りのディフーザー

・香り付きリングのRTD

一個一個はそれほど新しいものではないですが、それがすべにパッケージングされたRTDとして売られていることに驚きです。まだ日本語検索で引っかからないものも多かったので

地産地消、フェアトレード、サスティナビリティ、トラディショナルアレンジ、エコ、ゼロウェイスト、エシカル、オーガニック、などなど言葉は時代によって生まれては消えていきますが、例え言葉を知らなくても本当にボクらがすべきこと、目指すべきものを考え続ければ自ずと道はつながっているのだと思います

それぞれ己の真実モノを追い続ければ十分だと思いますが、ときおりこうやって周りを見渡す機会は、時代を読む助けになり、より広くを知る機会を与えてくれ、また背中を押してもらえるような気持ちになります

TNCの小祝さんはじめ、本当にありがとうございました

今回は飲み物に限って教えていただきましたがTNCさんは食のトレンドの方がメインです

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興味ある方は是非HPをのぞいてみてください

http://tnc-trend.jp/


 
 
 

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