• TOMOIKI SEKINE

『 STAND BY ME 』


たとえばこんな世界があったら。。。

あなたには毎日の仕事のノルマはなく、お茶汲みを頼む上司もいない、しつこく飲み会に誘ってくる同僚もいなければ、遅刻にうるさい恋人もいない 朝何時にベットから離脱しようが、夜何時に夢の世界に飛び込もうがかまわない

あぁこれが『自由』な世界か あなたはそれを364日待ち侘びた正月のように謳歌しようとするかもしれない しかしその世界では『なんでも好きなようにしていい』代わりに『なんでも自分で決めなくてはならない』

『自由』な世界と言ってもあなたはハン厶ラビ王でもなければ天下りした官僚でもない 生産をしてお金を生み出さなくてはならないし、パンツは自分で洗濯しなくてはならない(もしくはお金を払ってクリーリングに出すか) そしてもちろん他人は容赦なくあなたを評価する

と、ここまでいくと想像がつかないかもしれないのでもっと日常に則した状況を考えよう

たとえば明日の朝会社に出社する だけどもあなたにはその一日誰からもなんの仕事も振られてこない、そしてだれもあなたのした仕事にオッケーはくれない ただ自分で何をすべきか考え、ただ自分で問題ないと思える仕事をする

あぁなんて『自由』で『不安』な一日でしょうか

『自由』という素晴らしく魅力的な表紙を捲るとそこには必ず『責任』という袋綴じが付いてくる この袋綴じを開けずに『自由』だけを楽しめたらいいのだがこれがなかなかできないのが人である そして『責任』というなんとも訝しげな袋綴じを開けてしまえば、なんてことはない、中身はただの『不安』である

『自由』というのは『不安』とセットなのだ

セットというと語弊があるかもしれない そう、いつだって『自由』は『不安』を内包している 『自由』を手に入れたものは『不安』も獲得できる まさに一石二鳥

一方、『自由』というやつに手を出さなければ代わりに『不自由』がやってくる 『不自由』ってやつは煮干しの頭みたいに面倒くさい ただそれでもあなたのデスクには仕事の山がわんこ蕎麦みたいに現れるし、上司は嫌味を言いながらもあなたの書類に判子をくれる、お節介な同僚との飲み会は束の間の息抜きになるし、遅刻にうるさい恋人もベッドを温めてくれる

さて、あなたはどちらがお好みでしょうか 不自由というレールの上を安心という名の列車で走るか 自由という名の砂漠で不安と追いかけっ子をするか

いつのまにかこんな『自由』な人間に成り下がってしまったボクには何もアドバイスはできない 安心で安定で安楽な『不自由』をいつから捨て去ってしまっているのか記憶にもない し、そしてもちろん現在進行形であろう

きっとそんな『不安』にかられるのも『自由』な人間の特権なのであろうか

最後に『自由』と『不安』の関係を逆説的に立証しよう もし『自由』に『安心』できるのであれば、あんな御大層な女神様が寒空の下サンダルで突っ立ってる必要はない

#thought

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